コラム 記事一覧

「食」と「農」のエッセイ

日本ペンクラブ会員の著名人によるリレーエッセイ

第56回 中井貴惠さん
折れた大根

著者のプロフィールはこちら

 日本の食文化の豊かさは、なんといっても野菜の豊富さに拠るところが多い。季節ごとに店頭を彩る数々の野菜。短い旬を逃すことなく「すべてをいただく」日本の食文化の精神を私は誇りに思っている。
 80年代の終わりに結婚してすぐ、アメリカは東海岸ニューハンプシャー州の小さな町に住んだ。当時、新米主婦の私にとってアメリカのスーパーでのショックは、なんといっても野菜が日本とはあまりに違うことだった。キュウリもなすもすべてが大きいし水っぽい。葉物などは多少傷んでいても色が変わっていても平気で売り場に並ぶ。アメリカ人の買い物かごをのぞき見ると生野菜を買う人はほとんどいない。かごの中に見えるのは巨大な冷凍野菜の袋だ。三つ葉やシソ、ミョウガ、あの繊細で芸術品のような日本の野菜を何度夢見たことだろう。
 ある日、このスーパーに大根らしきものを発見した。大根といっても一本まるまるではなくあちこちに土がつき、しかもボキボキと折れているものが無造作に山積みになっている。手に取ってよく見てみると、これは紛れもなく大根だ。私は小躍りして折れた大根を数本かごに入れてレジに進んだ。するとレジ係が「What is this?(これ、なに?)」と聞く。え、あなたこれ売ってるんでしょ? お客にそれ聞く? と思ったが、こんなことはアメリカのレジでは日常茶飯事。「これは大根という日本の野菜で、煮てもおいしいし、おろせば消化にいいし、生でサラダにいれてもOK」と説明した。喉から手がでるほど欲しかった日本の野菜。家に帰り折れた大根を丁寧に洗い、皮をむき厚めに切ってコトコトと煮てみた。これだよ! これ! 残りの大根はキッチンペーパーを湿らせて包み、その上からラップを巻いて保存。冷蔵庫に大根が常備されていると思っただけで心丈夫だった。
 最近の日本のスーパーでの楽しみは今まで見たことのない新種の野菜との出会いである。ホワイトセロリやサラダ春菊、今日は45センチほどある長いアスパラガスを見つけた。日本の野菜はすごい。日々これ進化で私たちを楽しませる。でも新しい野菜を見るたびに、なぜかあの土にまみれた折れた大根を思い出す。あれは確かにおいしかったと。

イラスト:はやしみこ

中井貴惠(なかい きえ)

1978年東宝映画「女王蜂」でデビュー。1983年東映映画「制覇」で日本アカデミー賞助演女優賞受賞。
1998年より「大人と子供のための読みきかせの会」代表。小津安二郎監督作品の音語り公演「小津安二郎映画を聞く」シリーズ、絵本を朗読する「おとな絵本の朗読会」を全国で公演中。エッセイ・翻訳絵本など多数出版。

中井貴惠 (なかい きえ)
日本ペンクラブ

日本ペンクラブとは、詩人や脚本家、エッセイスト、編集者、小説家など、表現活動に専門的、職業的に携わる人々が参加、運営する団体です。
https://japanpen.or.jp/

なるほど全農

食と農についての「なるほど」な情報をお届け

爽快な酸味と香りの発酵調味料【お酢】
夏こそマルチに使いたい「お酢」の楽しみ方

お酢は紀元前5000年頃には作られていた記録があるほど歴史が古い調味料です。
魚介類、野菜、果物などの食材と合い、さまざまな料理に使われて、日本の食文化に貢献してきました。
今回は、改めてお酢の力に着目し、種類や効果、活用法など、お酢を上手に摂り入れる方法をまとめてみました。

1

 お酢は米や麦などのほか、果物など糖を含む食品を原料としてアルコール発酵、つまり一度酒にし、それを酢酸菌でさらに発酵させ、熟成させたものです。もち米から造る中国の「香醋(こうず)」、フランスの「ワインビネガー」、アメリカの「アップルビネガー」など世界にはさまざまなお酢があります。
 日本の家庭で一般的に使われているのは醸造酢です。醸造酢は大きく穀物酢と果実酢に分けられ、米酢を含む穀物酢と、果実酢が食酢とされています。寿司酢やポン酢などの加工酢は、砂糖、しょう油などを加え調整したものなので食酢とは区別されています。
 お酢は酸っぱいことが味覚の特徴。その主成分の酢酸にはいろいろな力があります。日本でお酢が庶民に広まったきっかけのひとつに江戸時代に生まれた寿司がありますが、酢飯も魚を酢で〆た「しめ鯖」なども、お酢の防腐効果を活かした料理です。また、お酢を加えることで料理の塩味が引き立つため、隠し味に加えれば、食塩の使用量を減らすことができます。煮物に加えると肉や魚の骨もやわらかくなり、角煮やラーメンのスープなど脂っこい料理も食べやすくなります。香りを引き立てる、臭みを消す、ゴボウやレンコンの変色防止など、役立つ調味料として積極的に活用したい存在です。
 夏は暑さで食欲をなくしたり、体調を崩したりしやすいです。お酢を使った料理を最初に食べると、唾液と胃液が分泌されて食欲増進のサポートに。有機酸が含まれるお酢は、糖分と一緒に摂ると疲労回復効果が期待できます。疲れているなと思ったときは、マリネ、鶏肉の甘酢煮、酢豚など、お酢を使った料理を意識的に取り入れましょう。夏こそ、お酢の出番です。
 近年、果実酢を使った飲む酢がブームになっています。飲む酢は手軽でよいのですが、原液では胃や喉を痛める場合があります。水や牛乳などで5〜8倍に薄めて飲んでください。目安は1日大さじ1杯(15ml)程度です。
 昔から私たちはお酢の「防腐・静菌(せいきん)」「食欲増進」「疲労回復」の力を活用してきました。近年の研究では、健康サポート効果が期待できるという検証も進められています。
 お酢は味わうと発酵食品ならではのうま味があり、料理でほかの調味料と組み合わせると、味に変化を与え、さらに深い味わいを生み出します。お酢のパワーを取り入れて、暑い夏を乗り切りましょう。

いろいろ使える! お手軽調味料
「ほめられ酢」&「らっきょう酢」

JA全農「エーコープマーク品」から、お酢を使った定番人気商品を3種類ご紹介。活用レシピを参考にわが家流にご活用ください。

1

【左】ほめられ酢
酸味を控えてまろやかな味に仕上げてあり、かける、漬ける、混ぜるなど、和洋中いろいろな料理に合います。

【中】ほめられ黒酢
ほめられ酢の姉妹品として、2023年4月に発売しました。ほめられ酢のまろやかさはそのままに、黒酢のコクと風味が感じられます。

【右】らっきょう酢
塩漬けなしで、らっきょう漬けを簡単においしく漬けることができるベストセラー商品。マリネや鶏肉・青魚の煮つけなど、漬物以外にも幅広く使える点が魅力です。

各商品と活用レシピはこちらから(ほめられ黒酢は近日公開予定)

プロのおすすめレシピ

料理のプロがすすめる旬の食材を使ったレシピ

こってりとさっぱりが調和した夏に食べたい炒め物です夏野菜と豚肉の酢みそ炒め

料理◎大庭英子 撮影◎榎本修

1人分:約385kcal 調理時間:約30分

材料4人分

  • 豚バラ肉(焼肉用) 250g
  • なす 4本(400g)
  • オクラ 8本
  • みょうが 4個
  • A
    • みそ 60g
    • 砂糖 大さじ1.5
    • 大さじ1
    • 大さじ2
    • こしょう 少々
  • 大さじ1
  • サラダ油 大さじ2
  • 白いりごま 適量

作り方

  1. なすはヘタを切り、ピーラーで縦に3本ほど皮をむいて1.5cm厚さの輪切りにする。オクラはガクのかたい部分を1周くるりとむく。みょうがは縦半分に切る。

  2. ボウルにAを入れて混ぜ合わせる。

  3. フライパンに油を熱し、なすを入れて炒め、蓋をして中火で4~5分途中上下を返しながら、やわらかくなるまで蒸し焼きにして取り出す。

  4. 3のフライパンに豚肉を入れて、弱めの中火で両面に焼き目をつける。オクラ、みょうがを加えて炒め、蓋をして、途中上下を返しながら、野菜がやわらかくなったらなすを戻し入れ、酒をふり、2を加えて全体に炒め合わせる。

  5. 器に盛り、ごまをふる。

ココがポイント

脂の多い肉を使うことでみそがなじんでおいしくなります。
酢の風味が飛ばないよう、合わせみそは最後に加えて仕上げます。

料理の基本

切り方・煮方・揚げ方など調理の基本をプロが伝授

牛すじ肉の下処理

料理◎大庭英子 撮影◎榎本修

牛すじ肉をおいしく調理するためには、下ゆでをして、臭みや余分な脂を取り除くことが大切です。
時間は多少かかりますが簡単な工程なので、まとめて下ゆでしておくと便利です。

作り方

  1. ゆでこぼす

    牛すじ肉はたっぷりの熱湯に入れて混ぜ、再び煮立ってアクが浮いてきたら、弱めの中火にして5分程ゆでる。ザルにあげてゆで汁を捨てる。

    1
  2. 洗う

    水を張ったボウルの中で2回程洗い、ザルにあげて水気をきる。余分な脂を取り除き、料理に合わせた大きさに切る。

    2
  3. ゆでる

    鍋に牛すじ肉を入れ、分量の水(3~4カップ)を入れて強火にかけ、煮立ってきたら、酒、ねぎ、しょうがの皮を入れる。蓋をして弱火で1時間程ゆでる。

    3
  4. ゆで上がり

    牛すじ肉に竹串がすっと刺さるくらいやわらかくなったらゆで上がり。ねぎ、しょうがの皮を取り出す。

    4

●保存の目安は冷蔵庫で3~4日です。
薬味を入れたゆで汁は捨てずにスープや煮込みなどに利用しましょう。
下処理した牛すじ肉は、和えものや焼きものにも活用できます。

牛すじカレー

1人分:約580kcal 調理時間:約60分(牛すじ肉をゆでる時間除く)

材料4人分

  • 牛すじ肉の下ゆで
    • 牛すじ肉 500g
    • ねぎの青い部分 1本分
    • しょうがの皮 1片分
    • 酒または白ワイン 大さじ3
    • 3~4カップ
  • ゆでた牛すじ 400g
  • たまねぎ 2個
  • トマト 大1個
  • にんにく 1片
  • おろししょうが 小さじ1
  • 赤唐辛子 1本
  • クミンシード 小さじ1/2
  • ローリエ 1枚
  • カレー粉 大さじ3
  • 小さじ1
  • ウスターソース 大さじ1
  • しょう油 小さじ1
  • 牛すじのゆで汁 2カップ
  • サラダ油 大さじ3
  • 温かいご飯 適量

作り方

  1. 上記を参考に牛すじ肉をゆでておく。

  2. たまねぎ、にんにくはみじん切りにする。トマトはヘタを取って横半分に切り、種を取って1cm角に切る。

  3. 鍋に油、赤唐辛子、クミンシード、ローリエを入れて弱めの中火で熱し香りが立ったら、たまねぎ、にんにく、しょうがを加えて中火で色づくまで炒める。

  4. 31を加えて炒め、カレー粉を加えて炒めてなじませ、牛すじのゆで汁を加える。煮立ってきたら、トマト、塩、ウスターソース、しょう油を加えて混ぜ、蓋をして弱火で30分程煮る。

  5. 器にご飯を盛り、4をかける

ふるさと探訪

日本各地の農畜産物を産地からリポート

多彩な料理で大活躍ズッキーニ

文◎編集部 撮影◎磯野博正

イタリア語で「小さいかぼちゃ」という意味のズッキーニ。
1977年にアメリカから輸入され、翌年には国内でも栽培が始まりました。
煮込み、炒め物、フリッター、サラダなど、いろいろな料理に使えて低カロリーなため、近年人気の夏野菜です。
2014年からズッキーニ栽培を始め、年を追うごとに新規生産者を増やし、東北一の生産量となった岩手県。
さらなる拡大を目指すJAいわて中央を訪ねました。

時期をずらして長期出荷

1
「手塩にかけて育てた皮が薄くて食べやすいズッキーニです」と話す、JAいわて中央ズッキーニ専門委員会の小田中信二委員長

 岩手県中央部は、北上高地と奥羽山脈に挟まれた盆地に広がる田園地帯。少雨で日射量が多い内陸型気候を生かして栽培が始まったズッキーニは、県内での消費拡大もあり、生産が広がりました。特に矢巾町は出荷量が多く、町全体で収量アップや品質向上に取り組んでいます。
「露地栽培が多く、出荷のピークは7月。県内では、6月中旬から10月まで長期出荷しています」と、JAいわて中央・矢巾地域営農センター園芸特産課の兼平栞依さん。ズッキーニはきゅうりの仲間のように見えますが、実はペポカボチャというカボチャの仲間です。別名「つるなしカボチャ」とも呼ばれ、花が咲いてから4~5日の未熟な実を食べます。

2

「ズッキーニは1株の中に雄花と雌花が両方咲きますが、受粉させないと実が大きくならないんです。蜂を使う方法もありますが、うちでは一つひとつ手作業で受粉しています。ズッキーニの花は早朝に咲くので、作業は4時半から7時半まで。収穫期は収穫も同時に行うので大忙しです」と語るのは、JAいわて中央野菜生産部会・ズッキーニ専門委員会の小田中信二委員長。確実に受粉させないと、均一に肥大せずに下膨れになるなど、商品として出荷できなくなるため、丁寧で地道な作業が求められます。
「気候は安定してくるものの遅霜の可能性がある5月は苗で植えつけ、6月以降は直接畑に種まきする生産者さんが多いです。5月に植えたものは、収穫まで約40日かかりますが、気温が高い7~8月に種まきしたものは、成長が早く約30日で収穫できるので、区画ごとに栽培時期をずらすことで長期収穫が可能になります」と、JAいわて中央の兼平さん。
 比較的育てやすいこともあり、稲や小麦の合間に取り入れたり、トマトやピーマンなどと複合経営したりする生産者も多く、生産者数の増加と栽培面積の拡大が今後ますます期待されています。

品質の決め手は水管理

3
【写真左】右側が雄花、左側が雌花。ズッキーニは受粉しないと実が育ちません 【写真右】太いけれど折れやすい茎を避け、根元から実を切り取ります

 JAの講習会をきっかけにズッキーニ栽培を始めて7年目の小田中委員長。最初10アールだった栽培面積は年々拡大し、今では83アールを手がけます。
「雄花の数が減ったり、受粉させても実が大きくならなかったりするので、品質のよいものを作るには水管理がとても重要です。畑の状態をみて、適宜かん水します」と、小田中委員長。
 収穫は朝晩の2回。大きな葉をめくり、成長が早い実の生育状況を見極めて取っていきます。
「収穫時期は、人を雇い5人で作業します。目視だとサイズを見誤りやすいので、最小規格の16cmの棒を作り、同じか長いものを収穫するようにしてバラつきを減らしました。朝は4時半から7時半、夕方は16時から18時まで収穫します。皮が薄くこすれると傷になるので、高く積み上げて運ぶことはせず、作業場と畑を何度も往復します」と、小田中委員長。自宅の作業場での選別・箱詰め作業は2時間程かかり、50アールの畑で180~220箱くらいになるといいます。細かな生育管理と創意工夫で、A級品の比率も高まり、9割を超えました。

4
JAいわて中央の集荷場では4箱ごとに梱包して出荷準備を進めます
5
箱詰めしたズッキーニは10時までに集荷場へ出荷されます

 「これからも部会全体で高品質なものを長く出荷していきたいです」と話す、小田中委員長。他産地の端境期にあたる8月から9月の出荷を増やす取り組みにも挑戦していくそうです。
 購入の際は、切り口が新鮮で、クビレの少ない、寸胴型がおすすめです。β-カロテンやビタミンCが豊富で低カロリー。シンンプルに炒めるだけでも、カレーなどに加えてもおいしいです。東北の冷涼な気候が育んだみずみずしいズッキーニを使って、多彩な料理をお楽しみください。

兼平栞依さん
「岩手のズッキーニをより多くの方々に知ってもらいたいです」と、JAいわて中央・矢巾地域営農センターの兼平栞依さん

●JAいわて中央

【ズッキーニ】生産概要
生産者:約90名
栽培面積:約30ヘクタール
出荷量:約300トン(2021年実績)
主な出荷先:関東、岩手県内

[投稿]わが家のレシピ

読者のわが家の味を料理のプロが再現!

ズッキーニのアイデアレシピズッキーニのツナマヨ焼き

三重県・モモリンさん

1個分:約140kcal 調理時間:約20分

材料4個分

  • ズッキーニ 小2本
  • たまねぎ 1/8個
  • ツナ缶 小1缶(70g)
  • クリームチーズ 35g
  • マヨネーズ 大さじ2
  • 黒こしょう 適量
  • パセリ(みじん切り) 適宜

作り方

  1. ズッキーニは縦に半分に切って中身をスプーンでくり抜き、くり抜いた中身はみじん切りにする。たまねぎはみじん切りにする。

  2. ボウルに1のみじん切りのズッキーニとたまねぎ、ツナ、クリームチーズ、マヨネーズを入れて混ぜ合わせる。

  3. 21のズッキーニに詰め、マヨネーズ(分量外)を上に細く絞り、トースターで焦げ目がつくまで焼く。

  4. 仕上げに黒こしょうをふり、パセリを散らす。

\皆さんの「わが家の味」を募集しています/

[投稿]わが家のレシピ

読者のわが家の味を料理のプロが再現!

ズッキーニのアイデアレシピハッセルバックズッキーニ

岐阜県・後藤佳代さん

1本分:約110kcal 調理時間:約20分

材料2本分

  • ズッキーニ 2本
  • ベーコン 3枚(60g)
  • 粉チーズ 大さじ2
  • オリーブ油 大さじ1
  • 黒こしょう 適量
  • レモン(くし切り) 適宜

作り方

  1. ズッキーニをラップで包み、電子レンジ(600w)に2分かける。

  2. 1.5mm間隔に横に切り込みを入れ、ところどころに小さく切ったベーコンを挟む。

  3. 耐熱容器に入れてオリーブ油を回しかけ、粉チーズをふりかける。

  4. 200℃に熱したオーブンで10分程、粉チーズ、ベーコンに焼き色がつくまで焼く。

  5. 黒こしょうをかけ、レモンを添える。

\皆さんの「わが家の味」を募集しています/

[投稿]わが家のレシピ

読者のわが家の味を料理のプロが再現!

ズッキーニのアイデアレシピズッキーニラペ

東京都・実月さん

1人分:約120kcal 調理時間:約15分

材料4人分

  • ズッキーニ 3本(600g)
  • A
    • レーズン 40g
    • 大さじ1.5
    • はちみつ 大さじ1.5
  • レモン汁 大さじ1.5
  • オリーブ油 大さじ1.5
  • 小さじ1.5
  • スライスアーモンド 大さじ1

作り方

  1. ズッキーニはへたを切って5~6cm長さのせん切りにし(スライサーを使うと簡単)、塩をふって10分置く。手で水気を絞り、ボウルに入れる。

  2. Aを耐熱容器に入れてふんわりラップをかけ、電子レンジ(500w)に1分かける。

  3. 12、レモン汁、オリーブ油を加えて混ぜ合わせる。

  4. 器に盛り、スライスアーモンドを散らす。

\皆さんの「わが家の味」を募集しています/

野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

チンゲンサイ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

中国野菜の代表格のチンゲンサイ。
春まきから秋まきまで長期間の栽培が楽しめます。
丈夫で育てやすくプランター栽培もおすすめです。
アブラナ科なので夏場は特に害虫対策に気をつけましょう。

 生育適温は20℃前後と涼しい気候を好みますが、夏の暑さや病気にも比較的強く、春から秋まで栽培が可能です。成長に合わせて間引きをし、株間をあけてがっちりした株に育てます。特に気温が高い時期は葉が広がって育つので株間を少し広めにとりましょう。
 栽培時期や品種によって収穫適期は異なります。株が大きくなりすぎると葉が硬く食味が悪くなるので、種袋に書いてある収穫の目安(夏場は30~40日、冬場は70~80日)を参考に適期を逃さないようにしましょう。ミニ種は普通種より早く収穫できるので、夏休みに子どもと一緒にプランター栽培を楽しむのもいいですね。
 アブラムシなど害虫被害が多いので、夏場は防虫と日よけを兼ねて寒冷紗をかぶせるのも効果的です。
 連作障害があるので同じ畑は1~2年あけましょう。

たねまき

深さ1cm程度のまき溝を作りすじまきにします(株間15cmで4~5粒の点まきでも可)。土をかぶせて軽く手でおさえ、たっぷり水やりしましょう。

間引き

4~6日で発芽します。葉と葉が触れないように2~3回に分けて間引きをします。本葉2~3枚で株間3~4cmに、本葉5~6枚で株間15cmくらいにします。点まきの場合は本葉5~6枚までに1本立ちになるよう間引きましょう。
間引き菜は良いものを選んで他の場所に植え直しても育ちます。

コナガ、アオムシ、ヨトウムシ、アブラムシなどの害虫被害が多く発生します。たねまき直後から防虫ネットや寒冷紗などでトンネル被覆をして防ぎましょう。間引き作業なども手早く行い、害虫の侵入に注意します。

追肥・土寄せ

最終の間引き後、1m2あたり化成肥料(8-8-8)50g前後を施用します。生育を観察して葉色が薄く育ちがやや弱いようなら多めに、葉色が濃く生育旺盛なら少なめに加減してください。追肥の後は株元に土寄せをし、畑が乾燥しているときは土寄せの後に水をやると、肥料の効きが早くなります。

収穫

草丈20cm位になり根元がふっくらと丸く太ったものから、株元を持って根ごと引き抜く(根はハサミやナイフで切る)か、株元をハサミやナイフで切り取って収穫します。ミニ種の場合は草丈10~15cmで収穫します。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

チンゲンサイは野菜の中でもコマツナ・シュンギクに次いでカルシウム含量が多い作物です。たねまきの2週間以上前に1m2あたり苦土石灰100g(前作で石灰類を施用していれば50gに減量)を散布して土にカルシウムを補ってください。同時に完熟堆肥1kg(前作で施用していればこちらは不要)を散布し、根が深く張れるように深く耕してください。
元肥はたねまきの1週間前に1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し、土に混ぜ込んでください。


●チンゲンサイの栽培スケジュール

(ベランダでも畑でも栽培できます)

スケジュール

\皆さんの家庭菜園エピソード募集中/

家庭菜園Q&A

家庭菜園のよくある質問に先生が回答

指導◎川城英夫(JA全農耕種総合対策部テクニカルアドバイザー) イラスト◎かとうともこQ.効果的な雑草対策を教えてください

 梅雨時は雑草が生え、繁茂しやすい季節です。雑草が生い茂ると病害虫の住家になったり、作物から肥料や光を奪い、生育を損ないます。
 除草のポイントを挙げると次のようになります。

黒マルチや敷きわらをする

 マルチや敷きわらをして地面に光が当たらないと、雑草のたねが発芽できなかったり、発芽しても光合成ができずに枯死してしまいます(写真1)。

03
【写真1】 黒マルチや敷きわらで雑草を防除

小さいうちに除草する

 雑草が小さいうちは、手で引っ張るだけで簡単に除草できます。面積が広ければ鍬や鎌、三角ホーで地面をひっかけば雑草を取り除けます。

抜いた後の処理も大切

 開花前の小さな雑草は、晴れた日に畑に放置しておけば枯れます。ただし、雨で土が湿っていれば根づくことがあるので、雨の前後は注意が必要です。
 スギナやスベリヒユは短時間では枯れないので、マルチフィルムなどにのせて枯らすと安心です(写真2)。
 たねのついた雑草は、畑の外に持ち出すか、深さ20cm以上の穴を掘って埋めます。
 土に埋めて処分する場合、スギナやハマスゲなど、深い位置から芽が出る雑草は、完全に枯らしてから埋めるようにしてください(写真3)。


03
【左・写真2】 マルチ上で枯らすスベリヒユ。再生しやすいスベリヒユなどはマルチの上などで枯らす
【右・写真3】 マルチの上で枯らすスギナとハマスゲ。深いところから出てくる雑草は枯らしてから埋める

雑草のタイプに合った方法で除草

 たいていの雑草は小さいうちやたねができる前に株元からかき取るだけでかまいませんが(写真4)、もうひと手間かける必要な雑草もあります。
 茎から根を出して増えるツユクサやメヒシバなどは、茎を残さないように地際からきれいに刈り取ります(写真5)。地下茎で繁殖するスギナやハマスゲ、ヤブガラシなどは株元を深く掘って地下茎を取り除くようにします(写真6)。

03
【左・写真4】 シロザ。たねを大量につけるシロザなどはたねをつける前に刈り取る
【中・写真5】 メヒシバ。茎から根を出して増えるメヒシバなどは地際からきれいに刈り取りとる
【右・写真6】 ヤブガラシ。地下茎で繁殖するヤブガラシなどは株元を掘って地下茎を取り除く
03

\皆さんの家庭菜園エピソード募集中/

「食」と「農」のエッセイ

日本ペンクラブ会員の著名人によるリレーエッセイ

第55回 小林エリカさん
コンニャクの観察

著者のプロフィールはこちら

 このところ私は専らコンニャクに夢中である。無論、田楽だとか、コンニャクゼリーだとか、食べる方にも関心はあるのだが、最も気になるのはコンニャク糊。
 そもそものきっかけは第二次世界大戦中、学徒動員された女学生たちがつくったという風船爆弾の歴史を調べ始めたことにある。
 風船爆弾なるものは、直径約十メートルの巨大な風船に爆弾をぶら下げたもの。旧日本軍が遥か太平洋の向こうにあるアメリカ本土を直接攻撃するため、考案した秘密兵器であった。太平洋沿岸から約9000発が発射され、実際、アメリカ大陸へ到達したと考えられているのは約1000発だという。
 その風船部分の材料というのが、和紙とコンニャク糊という。
 気づけば私は風船爆弾研究にのめり込み、群馬県甘楽郡下仁田町のコンニャク畑へまで辿り着いていたのであった。そこは、かねてからのコンニャク芋の産地である。風船爆弾づくりのためのコンニャク糊もその地で多くがつくられたという。
 私は上州下仁田屋の神戸重信さんを訪ね、夏には畑を案内してもらい、秋にはコンニャク芋の収穫までさせてもらった。
 はじめて目の当たりにするコンニャク芋。
 その形状(ごつごつとした丸い物体にピンク色の角のような芽がある)や、その茎や葉(斑点模様の茎に羽状の小葉)は、実に驚くべきものであった。
 話しを聞けば、コンニャク芋というのは冬には土から掘り出し、春にはまた埋め、出荷するまでに二年、三年もかかるという。その上、連作障害がおきるからその都度畑を変えなければいけない、という手間のかかりようである。
 そんなコンニャク芋を大量に生産してはコンニャク糊をつくっていた戦時下を思うと、私は奇妙な感慨を抱かずにはいられない。
 私は掘り出したコンニャク芋たちを土産にいただいた。
 ふたつは茹でてミキサーにかけて生芋からコンニャクをつくって食べた(生芋からつくったコンニャクの美味しさよ!)。
 残りのふたつは我が家の植木鉢に植えてみた。
 いまようやく春がやってきて、そろそろピンク色の角のような芽が伸びる頃かと、私は毎日植木鉢を覗き込んでいる。

イラスト:はやしみこ

小林エリカ(こばやし えりか)

作家・マンガ家。著書は小説『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社)、『マダム・キュリーと朝食を』(第27回三島由紀夫賞候補、第151回芥川龍之介賞候補)(集英社)、シャーロック・ホームズと家族の生死を描く『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)ほか。

小林エリカ(こばやし えりか)
「最後の挨拶 His Last Bow」
講談社
日本ペンクラブ

日本ペンクラブとは、詩人や脚本家、エッセイスト、編集者、小説家など、表現活動に専門的、職業的に携わる人々が参加、運営する団体です。
https://japanpen.or.jp/

なるほど全農

食と農についての「なるほど」な情報をお届け

産地リレーで秋まで楽しめる【枝豆】
地域色豊かで風味もいろいろ
種類多彩な「枝豆」にズームイン!

夏のビールのお供に欠かせない枝豆。
大豆が熟す前に若採りした豆を食べます。
熟した大豆は穀類ですが、枝豆は野菜として出荷販売されています。
大豆の豊富なタンパク質と野菜のビタミンを併せ持つ、枝豆の魅力を探ってみました。

1

 昔は田んぼのあぜに自家用として植えられていたことから「あぜ豆」と呼ばれていました。枝豆という名前は、枝付きのままゆで、枝付きで売られていたのが由来だそうです。
 大きく分けて「青豆(白毛枝豆)」「茶豆」「黒豆」があり、うぶ毛が白色で緑色が鮮やかな青豆(白毛枝豆)が最も一般的な枝豆です。茶豆系といえば山形県・鶴岡周辺の在来品種「だだちゃ豆」や新潟県の「新潟茶豆」「くろさき茶豆」、黒豆系では兵庫県・丹波の黒豆や京都府の「紫ずきん」などがあり、独特の風味で人気です。青森県の「毛豆」や千葉県の「小糸在来」など在来種のほか、種苗会社の品種改良も進み、今では枝豆専用の品種が400種類以上あるといわれています。全国で栽培されている「湯あがり娘」は、「青豆×茶豆」のハーフ品種だそうです。
 枝豆は大豆と野菜、両方のいいところを兼ね備えています。良質なタンパク質が豊富なうえに、ビタミンB1やカルシウム、大豆にはないビタミンCが含まれています。また、アルコールの分解を促して肝臓の負担を和らげる機能が期待されるメチオニンも含み、ビールに枝豆は理にかなった組み合わせといえます。もちろん、子どもたちのおやつにもおすすめです。
 枝豆は変幻自在の食材です。サラダなどに散らすと緑色が映えます。ゆでた豆と米を炊き上げた豆ごはんで甘みと香りを味わうのは鉄板のおいしさ。ゆでるだけでなく、焼き枝豆もお試しを。フライパンで焼くだけで、一段と濃いうま味を味わえます。夏らしい清涼感を楽しむなら牛乳や生クリームを加えた冷製ポタージュスープもいいですね。
 枝豆のシーズンは始まったばかり。これから中生、晩生品種へ、温暖な地域から東北、北海道へと品種・産地がリレーします。各産地から登場する多彩な品種を食べ比べれば、きっと新しい発見があるはず。地元のスーパーやJAの直売所をチェックしてみてください。お店にない枝豆を食べてみたいときは、JAタウンでも購入できます。

枝豆の購入はこちら【JAタウン】

主産地の全農担当者に聞く!

2

おすすめ品種やおいしい食べ方
 野菜生産出荷統計によると2021年度の作付面積トップ3は新潟、山形、秋田。3県の全農の広報・野菜担当に、おすすめの品種や食べ方を聞きました。
 作付面積が全国1位なのに県内で大量に消費するので、出荷量は1位ではない新潟県。ゆでた時の独特の香りとかむほどに広がるうま味が特長の「新潟茶豆」と「新潟あま茶豆」がおすすめ。枝豆を愛する県民の推しは香りの茶豆です。
 山形県は「だだちゃ豆」が有名ですが、だだちゃ豆よりサヤと実が大きい晩生品種の「秘伝豆」も県内ではポピュラーな品種。県内主産地の庄内地方では、枝豆をサヤごとみそ汁に入れる「枝豆みそ汁」が一般的といいます。サヤからだしが出てうま味が増すそう(※サヤは食べません)。豆を潰して砂糖を加えた「ずんだ」は餅だけではなく「ずんだシェイク」などのアレンジも楽しまれています。
 秋は枝豆が最もおいしくなる季節という秋田県のおすすめは、9月上旬から収穫が始まる「あきたほのか」。県オリジナルの品種で、コクのある濃い味わい、大粒で食べ応えのある品種です。カレーやチャーハンに入れることもあるとか。サヤごと焼き枝豆にして、ニンニクやたらこなどでアレンジしたり、バターやしょう油を加えたりして食べるのもおすすめです。