元肥のやり方は?
元肥は、たねまきや植えつけに先立って土の中に施す肥料です。元肥を施すことで、成長し始めた野菜に、速やかに養分を供給することができます。
作付け後に施す追肥と異なり、元肥は畝の中や、土の深いところに施すことが可能です。肥料は水に溶けることで、根が吸収できる形になりますが、土の中は水分量や地温の変動が少なく、肥料の溶け出し方にムラがないため、肥料の効き方が安定しています。
元肥は作付けの1~2週間前に施用するので、速効性の化成肥料だけでなく、土壌微生物による分解に時間を要する有機質肥料も利用できます。
元肥の施用方法は、大きく分けて全面施肥と作条施肥の2つの方法があります(下図)。
堆肥は完熟したものであれば、作付けの1~2週間前に、化成肥料などと一緒に施用することができます。ただし、根菜類では岐根(また根)を防止するため、堆肥は前作に施用するか、作付けの1ヵ月以上前に施用しておきます。
〇全面施肥
畝全体に肥料を施す方法。
作条施肥よりも肥料焼けが起きにくく、肥効も早くから現れる。反面、野菜に吸収されずに雨などによって流亡する肥料が多い。
全面施肥のやり方
①畝を立てる場所を決め、土の表面に肥料をまんべんなくまく。
畝の全面にたねをまく軟弱野菜(ホウレンソウ、コマツナなど)や、ダイコンやニンジンなど根菜類をはじめ、ほとんどの野菜に使える。
〇作条施肥
畝の下のほうに肥料をまとめて施す方法。
全面施肥よりも雨によって流亡する肥料が少なく、効率よく肥料が利用できる。
作条施肥のやり方
①畝を立てる場所を決め、畝の中央に深さと幅が30cmほどの溝を掘る。
掘り上げた土の上から溝にかけて肥料をまく。
地面が平らになったら、全体をならして畝を立てる。
トマトやナスなどの果菜類や、キャベツやブロッコリーなど栽培期間が長い葉菜類に向く。