ダイコンを育てる前にマリーゴールドを栽培するといいと聞きましたが、どうしてですか?
ダイコンには根部の表面を加害し、商品価値を大きく損ねる、キタネグサレセンチュウという大敵がいます。この害虫は土壌に生息する全長0.2mm程度の小さなウナギ型の生物で、ダイコンが栽培されると根の表面から侵入し、根に褐色の病斑を作ります。ダイコンの市場価値が低下し、生産農家に大きな経済的損害を与えます。ダイコン以外にも多種類の作物や雑草の根にも寄生しますが、根を商品とする野菜以外では、その発生に気付かないことが多いです。
マリーゴールドの根や葉には、この害虫を死滅させる成分(α-ターチエニール)が含まれ、マリーゴールドを栽培し土壌にすきこむと、農薬を使わずに土壌中のキタネグサレセンチュウを退治することができます。この場合、マリーゴールドを5月頃に植えつけて、7月頃に刈り倒して畑にすき込み、9月頃にダイコンの種を播きます。キタネグサレセンチュウに対するマリーゴールドの効果は、農薬以上と言われています。
ところで、キタネグサレセンチュウの被害を受けたダイコンを食べても、人間には全く害はありません。家庭菜園のダイコンに被害が発生しても、見た目が悪いだけです。安心して食べてください。