夢と想いを作文にのせて 【全農「酪農の夢」コンクール】

若手酪農家が夢だったチーズ工房を開業
農業高校生当時にコンクールで発表した夢を実現

全農は学生の「酪農の夢」を応援しています。その一環として開催している「全農学生『酪農の夢』コンクール」は、全国の学生にこれまで学んできたことや自らの経験を通じて、酪農への想いや夢を語ってもらう作文コンクールです。
2012年(第5回)に最優秀賞を受賞した岡山県・三宅春香さんが、昨年春、作文に綴った夢を実現しチーズ工房をオープンしました。そこで三宅さんに夢が実現するまでの道のりなどをお聞きしました。

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── 10年前のコンクール当時のことを教えてください
三宅 担任の先生から声をかけていただいたのが応募のきっかけでした。テーマが「酪農の夢」だったので、酪農家に産まれ育って、これまで勉強してきたことや、今後、どんな酪農をやりたいかという自分の夢をつらつらと綴っただけ。最優秀賞がとれるとは思っていなかったので、本当にびっくりしました。

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── チーズ作りにはまったきっかけは何ですか。
三宅 コンクールの副賞として酪農体験実習をさせてもらえるのですが、そこで初めてモッツァレラ作りをしたことですね。作る途中でビヨーンって伸びるのが面白くて、食べても美味しくて。その時の感動は今でも覚えています。

── 受賞後、オープンまでどのような経験を積まれたのですか。
三宅 北海道の酪農学園大学に進学し、勉強の合間に北海道のチーズ工房に足を運んで、チーズにどんどんはまっていきました。卒業後も北海道の牧場で働きながらチーズの基礎を学びました。一年後、実家の牧場に就農して、昨年5月、牧場の一角に「倉敷チーズ工房ハルパル」をオープンしました。

── 「倉敷チーズ工房ハルパル」のチーズの特徴を教えてください。
三宅 両親が経営する牧場はホルスタイン60頭を飼育し、その新鮮で高品質な牛乳を最大限生かせるチーズ作りを心がけています。作っているのは「モッツァレラ」「スカモルツァの燻製(燻製モッツァレラ)」「フロマージュブラン」の3種類。飲み慣れたホルスタインの牛乳で作っているので癖がなく食べやすいのが特徴です。ホームページなどのネット販売のほかに、地元の飲食店など卸先を少しずつ広げています。

── 夢を実現できた原動力は何ですか。
三宅 私は高校時代も大学時代もずっと「チーズをやりたい!」と言ってきて、それを聞いた周りの方々の後押しで夢を実現することができました。夢を叶えたというより周りの方に叶えていただいたというほうが正しいくらい。本当にやりたいことがあったら、どんどん挑戦しアピールしてほしい。後輩たちにそうしたことを伝える活動もしていきたいですね。
 いずれ両親が引退したら私が牧場を引き継ぎます。だから両親が元気なうちにチーズ工房を軌道に乗せ、スタッフに任せられるまでにしたいと考えています。

 全農では2021年秋に三宅さんの夢の実現をお祝いし、「みのるダイニングさんすて岡山店」で三宅さんのチーズと岡山食材のコラボフェアを開催。三宅さんも「チーズが魚に合うことを初めて知りました」と驚いた「燻製スカモルツァ┼瀬戸内産サワラのバターステーキ定食」ほか4種のメニューを提供し、多くの方にお楽しみいただきました。

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倉敷チーズ工房ハルパル

「全農学生『酪農の夢』コンクール」は酪農の未来を担う若い世代の皆さんに、将来への夢を膨らませてもらうことを目的として開催しています。テーマは「酪農の夢や想いをどのように実現していくか」。2007年の第1回以来、1,500を超える“酪農の夢”が寄せられ、多くの学生が実際に夢を叶えています。最優秀賞、優秀賞を受賞した学生には副賞として、全国の牧場で3泊4日の酪農体験の学習の場が提供されます。酪農への熱い想いをもつ学生たちの夢の実現に向けて、これからも全農は応援を続けます。

酪農の夢コンクール https://www.zennoh.or.jp/milk/award/student/index.html

2022.06更新

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