仕事や家事育児、忙しい毎日の生活の中で栄養バランスを考えて食事を作るのは大変です。そんなとき“あると安心”で役立つのがきんぴらや煮豆、にんじんラペ、マリネや漬物などの常備菜。冷蔵庫で保存が効くので、週末など時間のある時に多めに作っておけば、平日の食事作りが楽になります。もう一品欲しい時やお弁当にも使えて便利。アレンジして食べると下ごしらえ無しで、別メニューを楽しめます。
今回は、野菜不足を気にしている人にぴったりな野菜の作りおきレシピを紹介します。例えば、たまねぎとトマトだけでできるシンプルな作りおき。ざく切りトマトと薄切りたまねぎを、塩をして、しんなりするまで油で炒め、粗熱がとれたら小分けにして冷蔵・冷凍します。そのまま野菜のおかずとして。マグカップに入れて水とコンソメを加えてレンチンするとスープに。パスタの具やカレーにするも良し。ウインナーや肉を足してケチャップで炒めれば、子どもたちも喜ぶおかずに変身、お弁当にも合います。
さらに、この冷凍した「なんにでもなる野菜」(たまねぎとトマト炒め)を取り出してフライパンで温め、しょうがを揉みこんだ牛薄切り肉を加えて炒め、肉色が変わってきたら2cm角に切った生トマトを加えて炒め、塩としょう油で味を調えれば、「トマ牛」の出来上がり。温かいごはんの上にのせて牛丼のようにしても、焼うどんの具にしてもおいしいです。※2
パセリや大葉など一度に使い切れなかった香味野菜は、冷凍すればふりかけになります。パセリはよく洗い、水気をしっかりふき取ってから葉を摘み、大葉は軸を取り除き、それぞれチャック付きの保存袋に入れて冷凍庫に。一晩おいて、しっかり凍ったら袋の上からつぶします。つぶしたら再び冷凍庫で保存。使う分だけ取り出し、温かいごはんに塩少々とともにふってよく混ぜます。バターを少し加えるとピラフ風の味に。ラップに包み握ればおむすびに。刻む手間も省けて、野菜も無駄になりません。※3
便利な常備菜ですが、最後まで安全に食べきるために、衛生面には気を配りましょう。ポイントは6つあります。 ①野菜の余分な水分をしっかり絞る ②熱をきちんと通す ③粗熱をとってから保存容器に移す ④保存容器は消毒する ⑤保存容器から取り分けるときは清潔な箸を使う ⑥食べる前に必ず、においや見た目を確認する。作りおきの際には、心に留めておいてください。
ビタミン・ミネラルの宝庫で、体の調子を整えてくれる野菜。作りおきを活用し、豊かで楽しい食生活を送りましょう。
※2 ※3 『JA全農広報部さんと考えた 毎日おいしい野菜の作りおき』より
シンプルで簡単、飽きずに野菜を楽しめるレシピ集
『JA全農広報部さんと考えた毎日おいしい野菜の作りおき』
発行:ワニブックス
定価:1,595円(本体1,450円+税)
全農がSNS(note:ノート)に投稿した『一人暮らしの管理栄養士が家で作る、野菜を食べる常備菜』への反響がきっかけで、8月にレシピ本が出版されました。フードコーディネーター井上裕美子さんご協力のもと、野菜の作りおきをテーマに、肉・魚を使ったおかず、デザート、ふりかけなどのレシピ65品を紹介。アレンジレシピも多種多彩、野菜の魅力を再発見できる一冊です。