ミズナは京都で作られてきた伝統野菜の一つで、大株の品種は鍋物や漬物、煮物などに使われます。一方、柔らかくてサラダなど生で食べられるように品種改良したのが小株の品種です。大株と小株でたねまきの方法や株間、生育期間などが違うので専用のたねを用意しましょう。
ミズナは畝間に水をためて栽培していたことから「水入菜」と呼ばれていたほど、たくさんの水を必要とし、特に苗が小さいうちは水をきらさないように管理することが大切です。ただし、生育後半や高温期は過湿状態になると病害がでるので注意します。また、発芽後は密植状態が続くと茎が長く伸びて(徒長・とちょう)してしまうので、早めの間引きを心がけてください。
害虫被害を受けやすく、霜や冬の寒風にも弱いため不織布などをかけて守ります。連作障害があるので、同じ科の野菜を同じ畑で1~2年栽培しないようにしましょう。
大株どりの場合は、株間20~30cm程度で1ヵ所に5~6粒の点まきにします。小株どりの場合は、条間15~20cm間隔ですじまきにします。いずれも軽く土をかぶせて、たっぷり水やりしましょう。
【発芽】3~7日で発芽がそろいます。
【間引き】本葉が出てきたら葉と葉が重ならないように間引きします。大株どりは本葉1~2枚で2本立ちに、本葉3~4枚で1本立ちにします。小株どりは本葉1~2枚で株間2~3cm間隔に、本葉3~4枚で株間5cm間隔に間引きます。
アブラムシやヨトウムシ、コナガなどの害虫被害を受けやすいので、防虫ネットなどでトンネル被覆をしましょう。たねまき後に不織布をべたがけにしてもいいです。
NK化成(16-0-16など)を1m2あたり30g程度、間引きが完了して生育が盛んになったら、生育を見ながら数回施用します。土が乾いている時は、追肥と同時に株元に水やりすると肥料の効きが良くなります。水やりは、草丈15cm位までは水をきらさないようこまめにし、15cm以上になったら土の表面が乾いてきたら水やりしましょう。
草丈が25~30cmになったら株のつけ根をナイフなどで切り取るか、株元をもって根ごと引き抜きます。切った根を畑に残しておくと根こぶ病などの土壌病害の原因となるので、畑に残さず始末しましょう。
●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
たねまきの2週間以上前に、1m2あたり苦土石灰100gと完熟堆肥1kg(どちらも前作で施用していれば不要)を散布し、できるだけ深く耕しておきます。元肥はたねまきの1週間前に、化成肥料(8-8-8)を1m2あたり100g散布し、土に混ぜ込みます。
●ミズナの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)