November

タマネギ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

冬越しして長期間育てるタマネギは適度な大きさの苗選びと植えつけ時期を守ることが栽培のポイントです。
早採りで生食できるタイプの極早生、貯蔵向けの中晩生など、専用品種を選んで楽しみましょう。

 タマネギの生育適温は15~20℃で冷涼な気候を好みます。
 たねまきから始めると苗作りに2ヵ月以上かかり、植えつけに適した苗をそろえるのが難しいので購入苗がおすすめです。植えつけ適期が遅れると、根付く前に寒さに負けて枯れてしまい、逆に早すぎたり、大きすぎる苗を植えると、春先、玉が肥大する前にとう立ち(ネギ坊主が出る)しやすくなるので、生育が旺盛なようであれば、年内の追肥は控えます。
 雑草に弱く、べと病などの病気や害虫対策のためにもマルチを張ると効果的です。収穫時に肥料過多になると、貯蔵性が悪くなり品質が低下することがあるので、3回目の追肥は、過剰や遅効きに注意して実施を判断してください。品種によって収穫時期が異なるので注意しましょう。タマネギが多湿になると収穫後に傷みやすくなるので、土が乾いた晴れた日に収穫します。

苗選び

草丈25~30cm、根元の太さ6~7mmの鉛筆くらいの太さで、根が白くよく伸びているものを選びましょう。

植えつけ

病害による被害軽減のため高畝栽培を行い、排水を良好にします。穴のあいているタマネギ専用のマルチを敷くと地温確保や病害虫対策などに効果的です。苗を1本ずつ植え穴に真っすぐ差し込み、葉の分岐点が埋まらないように深さ2~3cm位植え、株元を手でおさえます。

追肥・土寄せ

12月の生育が一旦停滞し始める前と、2月の茎葉が再び伸び始める前に、NK化成を各20g/m2程度施用します。追肥後は株元に軽く土寄せします。肥料不足の様子なら、3月に3回目の追肥を同量程度施用します。

収穫

球が十分に肥大すると茎が根元から倒れてきます。全体の7~8割が倒れたら収穫適期です。雨の日を避け、晴天が続いて土が乾いた日を選んで抜き取ります。そのまま土の上に並べて1~2日乾かしましょう。

保存

数日中に食べる場合は、葉と根を切り落として冷暗所で保管します。長期保存する場合は葉や根は切らずに4~5個ずつまとめてひもで縛り、風通しのよい軒下などの日陰に吊るしましょう。湿気が多い場所は腐りやすいので注意が必要です。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
タマネギは根の張る範囲が比較的浅く、かつ狭い作物です。またリン酸を好む作物です。完熟堆肥の施用で土を柔らかくして、根の張る範囲をできるだけ深く広くさせることと、土の中で移動しにくいリン酸を根の張る予定位置に予めセットしておいて、リン酸を吸いやすくさせること、この2つの土づくりが栽培前に必要です。このため、植えつけの4週間前に1m2あたり完熟堆肥2kgと重焼燐などのリン酸単肥50gを散布します。同時に苦土石灰(石灰類を前作で施用していれば不要)100gを散布し、深く耕しておきます。
元肥は植えつけの1週間前に、化成肥料(8-8-8)100g/m2を散布し土に混ぜ込みます。

●タマネギの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)
ミズナの栽培スケジュール

2022.11更新

閲覧数ランキング