スイカ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

高温と強い日差しを好みます。水はけの良い場所を選び、人工授粉をして育てましょう。

 スイカは極端に連作を嫌うので、土壌病害に強い接ぎ木苗を購入し、4〜5年はウリ科の野菜を栽培していない場所を選びましょう。アフリカのカラハリ砂漠原産なので、畑にポリマルチを張って地温が十分に上がってから植えつけます。ホットキャップなどで保温すると、遅霜の心配もなく成長がスムーズです。
 蔓(つる)ぼけ防止のために、元肥は控えめにし、追肥で生育を調節します。また、雌花が咲いたら人工授粉をして確実に着果させるのも、蔓ぼけを防ぐことになります。受粉後40日前後(大玉)が収穫の目安なので、ラベルに受粉日を書いておくと便利です。栽培時期が高温多湿なので、風通しを良くしてべと病やうどんこ病、アブラムシなど病害虫の発生に注意し、被害にあった葉は早めに摘み取って処分し、広がるのを防ぎましょう。

植えつけ

本葉4~5枚で茎が太く、しっかり根の張った接ぎ木苗を選びましょう。植え穴を掘り、根鉢を崩さないように浅めに植えつけます。土を戻し、株元を押さえて植えつけた後、たっぷりと水やりをします。
ポリマルチを張り、ホットキャップを被せて換気の穴を開けます。暖かくなったら外しましょう。

摘芯・整枝

親蔓が伸びて本葉5~7枚(節)以上になったら、先を摘芯します。わき芽の子蔓が30cmくらい伸びたら、生育の良い子蔓3~4本を残し、残りの子蔓は摘み取ります。蔓は絡まないように伸ばしましょう。

人工授粉

受粉は午前中(開花から1~2時間以内がベスト)に行います。雄花を摘んで、18節目以降(24節目ぐらいまで)の雌花に受粉させます。受粉日をラベルなどに書いて収穫の目安にしましょう。

摘果

1蔓に1果を基本に形の悪いものなどを摘果します。大きなスイカを収穫するため、実のついていない遊び蔓を1本残すと良いでしょう。

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果実が鶏卵大になった頃に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)を、蔓の間にパラパラと撒いて、土となじむように軽く水やりしてください。果実が肥大する時にカリウムをたくさん吸収するので、追肥には速効性のカリウムを含む化学肥料が適しています。

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実が大きくなってきたら、果実の下に泥はねを防ぐための藁などを敷きます。色むらがなく形の良いおいしいスイカにするため、2週間に1度、果実の位置を変える「玉直し」をしましょう。

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大玉スイカは受粉後40日前後、積算温度900~1000℃になると食べ頃といわれています。受粉日のタグを参考に、実がついている節の巻きヒゲが根元まで枯れていることなどを目安に適期を見極めて収穫しましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)
植えつけの2週間以上前に、1m2あたり完熟堆肥2kg、苦土石灰100g(前作で施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり油かす(5-2-2など)または有機配合肥料(6-6-6など)200gを散布し、土に混ぜ込みます。元肥にはゆっくりと効く油かすのような有機肥料、または有機肥料をブレンドした有機配合肥料が適しています。これらが入手できない場合は、化成肥料(8-8-8なら100g、14-14-14なら50g)で代用してもOKです。生育初期に肥料が効きすぎると、蔓ばかりが伸びて雌花がつきにくくなるので、元肥は多すぎないように注意してください。

●スイカの栽培スケジュール
栽培スケジュール

2025.03更新

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