収穫をしたジャガイモの皮にかさぶた状の褐変ができてしまいました。
ジャガイモを掘り上げたときに、芋の皮の表面に不整形な褐変が見られることがあります。多くの場合、これは「そうか病」というジャガイモに特有の病気で、土の中に生息するStreptomycesという菌によって起こります。
そうか病はアルカリ性に傾いた畑でジャガイモを栽培すると多発する傾向があります。このため、そうか病の発生を防ぐためには、ジャガイモ栽培前に酸性矯正のための石灰類の施用は行わないほうが無難です。しかしジャガイモは、ナスやトマトなどの他のナス科植物と同様に、生育のためには石灰(カルシウム)は必要です。過去1年以上石灰類を施用していないような畑では、種芋植え付けの2〜4週間前に、1m2あたり苦土石灰*50~100g程度を施用して深く耕してください。同時に完熟堆肥1kg程度を施用すると、土の中の微生物の種類が多様になり、そうか病菌の活動が相対的に抑制されるのでより効果的です。未熟堆肥ではかえって発病を助長することがあるので注意してください。
そうか病による表皮の褐変は、症状が激しい場合はイモの内部にまで及ぶことがありますが、通常は表皮の褐変だけで、皮を剥いてしまえば普通に食べることは可能です。人間に害はありません。家庭菜園ではあまり気にしなくても良いかとも思います。
*土壌pHを測定できる場合は(2021年10月号参照)、pHが5.5より低い場合に苦土石灰を施用してください。