生ごみや枯葉を利用して堆肥を作りたいです。どんな方法がありますか?
生ごみや枯葉などは、ほとんどのものが堆肥になります。ただし、生ごみを利用する場合は、塩分や油分が多く含まれるものは適しません。プラスチックや金属の混入にも注意が必要です。枯葉を利用する場合には、広葉樹の枯葉が適しています。マツやスギなどの針葉樹の葉はあまり適しません。
色々な材料を混ぜ合わせて、水分を60%程度(ギュッと握って手に水分が付く程度)に調整し、出来る限り大きな山(発酵熱が逃げないようにするため、高さ1m程度は必要)を作って堆積します。1週間程度で60℃以上まで温度が上がれば成功です。その後は、2週間に一度切り返して、2か月ほど経ったら、更に1か月に1回ほど切り返しながら、半年ほど熟成させれば完成です。ただし、このような本格的な堆肥作りは、原料の水分調整や、熱が逃げないように大きな山を積むことなどが必要で、家庭菜園ではかなりハードルが高いです。
家庭菜園向けの簡易な方法として、菜園の片隅で「土の力」を借りて、手頃な大きさの容器の中で堆肥を作る方法を紹介します。
まずは、ポリバケツ等を用いて容器を作り、畑に設置してください。
①深さが40cm以上の、なるべく大きめの蓋付きの容器を用意する(使い古したポリバケツで良い)。
②容器の底をのこぎりなどで切る。
③10cmほどの深さまで畑に埋めて、雨水が浸入しないように周りを踏み固め、蓋をかぶせる(コンポスターと呼ばれる、釣鐘を伏せたような形の専用容器も市販されています)。
容器の準備ができたら、十分に水分を切った生ごみや、枯葉を容器の中に入れ、材料が隠れる程度に上から土をかぶせます。1~2週間に1回かきまぜながら、生ごみと土とを同様に投入し続け、容器がいっぱいになったら全体を大きくかきまぜて、蓋をしたまま2~4か月ほど放置(気温が低いほど長めに)して熟成させると堆肥が完成します。
★この方法で堆肥を作成する場合は、以下の点に注意が必要です。
①容器の設置場所は、水はけや日当たりが良いところが適す。水はけが悪い場合には、容器の周りに排水溝を掘り、水の逃げ道を確保する。悪臭やハエの発生は避けられないことにも留意して、設置場所を選ぶ。
②容器に入れる生ごみは、水分を十分に切る。水分が多いと必ず失敗する。乾いた落ち葉を混ぜると水分調整に役立つ。
③かぶせる土は乾いた土を利用する。雨の多い季節には、予め乾いた土をビニール袋などにストックしておくと良い。夏は悪臭やハエの発生が多いので、多めに土をかぶせる。冬は少なめでも良い。
★堆肥の使い方
完成した堆肥は、たねまきや植えつけの2週間以上前に散布し土と混ぜて、畑に馴染ませてください。原料の生ごみは栄養豊富なので、堆肥には肥料分が含まれます。それを勘案して、元肥に施用する化成肥料の量はほぼ半減が可能です。生育状況を見ながら追肥を施用してください。ダイコンやコカブなどの根菜類を栽培する場合は、たねまきの1~2か月以上(低温期ほど長め)前に、堆肥を散布して下さい。堆肥散布からたねまきまでの期間が短いと、根菜類は岐根や裂根などが発生し品質が低下します。