専用飼料でビタミンEがアップ
「まず、種鶏農場で良いヒナ、良い鶏づくりの基本となる種卵を生産し、ふ化場で21日間衛生的に管理してふ化させたヒナを生産農場で約50日間かけて健康な鶏に育てていきます。”鹿児島いいとこ鶏”は2016年から生産している銘柄鶏で、山間部の自然環境に恵まれた農場で育てられています」と説明してくれた、鹿児島くみあいチキンフーズ(株)生産事業部の大久保藤夫部長。
銘柄鶏は一般の若鶏と鶏の種類や飼育期間は同じですが、特別な専用飼料を与え、契約農場・直営農場で飼育された鶏です。
「当社で飼育するすべての鶏は、全農グループの飼料工場で製造した専用飼料を成長段階に合わせて与えています。なかでも鹿児島いいとこ鶏は仕上げ期の35日齢から、パーム油脂、ビタミンE、ウコン、ブドウポリフェノール、シナモンやローズマリーなど5種類のハーブを飼料に添加することで、鶏の健康促進につなげています」と大久保部長。
抗酸化作用があるビタミンEを補強することで、鶏が健康になるとともに、鶏肉中のビタミンE含有量が約2~7倍増加します。シナモン、ローズマリー、唐辛子、オレガノ、タイムの5種類のハーブで鶏肉特有の臭みが和らぎ、コクもうま味もある、まさにいいとこ尽くしの「鹿児島いいとこ鶏」に仕上がります。
快適な環境でストレスなく育てる
「ヒナは寒さに弱いので鶏舎内を32~33℃に保ち、温度や湿度、換気などを調整しながら徐々に温度を下げて環境に慣れさせて元気に育てます」と、鹿児島いいとこ鶏と国産若どりを合わせて年間約140万羽生産する角農場株式会社の角晋吉社長。さらに「成長に合わせて水飲みカップの高さを変えて飲みやすくするなど細かな対応を心がけ、鶏にストレスがかからないよう快適な環境を整えています」とのこと。こうして、一羽一羽大切に47~48日間かけて育てられた鹿児島いいとこ鶏は、体重3100g前後で出荷となります。
農場から処理工場に出荷された鶏は、受け入れたその日のうちに検査員により生体・内臓などを検査後、合格したものだけを衛生的に解体処理します。
「モモやムネ、ササミ、手羽元などの食肉部位に解体して製品化するまで約75分というスピードで鮮度を保ち、徹底した品質管理の製品づくりに努めています」と、大久保部長。
●鹿児島くみあいチキンフーズ(株)
ブロイラー(うち「鹿児島いいとこ鶏」)生産概要
生産農場:196農場(48農場)
年間生産羽数:約3345万羽(約830万羽)
年間出荷量:約54.6万トン(約12.7万トン)
主な出荷先:全国
