肝心かなめの土づくり
「京都の南部(山城地域)に位置する当JA管内で伏見とうがらしは60年以上前から栽培されており、生産量は府内トップクラスです。京のブランド産品にも認定されています」と、説明してくれたJA京都やましろ精華町支店営農経済課の奥田芳成営農指導員。
京のブランド産品は、安全安心と環境に配慮した「京都こだわり生産認証システム」(※1)により生産されたものの中でも、品質・規格・産地を厳選したものだけが、「京マーク」を付けて販売できる信頼の証です。
6月初旬、収穫最盛期を迎えたJA京都やましろ精華町支店伏見とうがらし部会の今西和男部会長のハウスを訪ねました。
「例年4月中旬頃から収穫が始まりますが、今年は春の寒暖差が大きくて栽培管理に苦労しました。5月の連休以降、気温も上がってやっと最盛期を迎えることができました」と、笑顔の今西部会長です。
(※1)京都府特産物育成協議会が、京都こだわり栽培指針(減農薬・減化学肥料など)に沿った栽培状況と記帳のチェックを実施し認証する。
「高品質なものを収穫するには、土づくりが重要です。うちでは収穫が終わると、真夏の日光を利用してまず土を太陽熱消毒します。その後、堆肥などの有機肥料をたっぷり入れて土づくりをしていきます。有機物は土壌中の微生物のエサとなり分解されて、土の通気性や保水性を高めてくれます。有機肥料は効果が出るまで時間がかかるけど、元気な土は病害虫にも強く、何より品質のいいものがとれるんだよね」と、今西部会長。環境に配慮し、減農薬で行う栽培は、まさに京のブランド産品にふさわしいといえます。
1本1本、手摘み手選別
「規格は4段階。12cm以上で真っ直ぐなものは”秀”やや曲がりのあるのは”優”、15cm以下で弓なりは”良”、曲がりの大きいものは”並”です。秀品で1箱(1kg)100本くらい詰めます」とのこと。多いときは1日60~70箱詰めて、JAの出荷場に午後3時までに出荷します。
店頭で見かけたらぜひ、京都の伝統野菜、伏見とうがらし特有の柔らかな食感と爽やかな風味、甘みをご堪能ください。
●JA京都やましろ(精華町)
【伏見とうがらし】生産概要
生産者:11名
栽培面積:40アール
共撰出荷8トン(2021年実績)
主な出荷先:関西、関東など
