石灰の種類と使い方

指導◎岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)イラスト◎かとうともこ

Q酸性土壌を中和するのに石灰をすきこまないといけないと言われましたが、カキ殻石灰や苦土石灰などいろいろな種類の石灰が売られていました。何をどう使うのがいいですか?

A 酸性土壌を中和する資材として、炭酸カルシウム(タンカル)、苦土石灰(苦土タンカル)、カキ殻(有機石灰)などが園芸店で販売されています。これらはいずれも同じ炭酸カルシウムを主成分とし、水に徐々に溶けて土壌の酸性を改善します。この他に、酸性改善効果が最も高い資材として消石灰がありますが、成分が水酸化カルシウムであり、アルカリ性が強く取扱いに注意が必要なため、家庭菜園にはあまり一般的ではありません。
 苦土石灰はカルシウムの他にマグネシウムを含むため、養分バランスが良く最も使いやすい資材といえるでしょう。カキ殻は窒素、リン、亜鉛等の副成分をわずかに含み、その分炭酸カルシウムの含有量が若干少なく、酸性改善効果がより穏やかです。炭酸カルシウムや苦土石灰には、粉立ちを防ぐために粒状に加工して、取扱いやすくしたものもあります。
 初めて酸性改善を行う場合は、いずれの資材も1m2あたり200g程度を施用して深く耕してください。以降は毎年1回、80~100g程度を施用していれば、土壌の酸度を適度に保つことができます。

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2019.05更新

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