果物をフリージングするにあたり、注意する点は「清潔を保つこと」「不可食部分を取り除いて冷凍すること」「くっつかないように平らにして冷凍すること」の3つです。これらを念頭に置いてフリージングしましょう。
基本的な手順を説明します。汚れが付いているままだと腐食しやすいので、まずは水をたっぷり張ったボウルに果物を泳がすように洗い、最後に流水でよく水洗いしましょう。キッチンペーパーで水気をよく拭き取ったら、下準備完了です。食べられない皮や芯、種の部分はナイフなどを使い外しておきます。皮ごと食べられる果物はお好みで皮を残しておいて構いません。
バットの上にラップを広げ、その上に食べやすい大きさにカットした果肉を重ならないように並べます。空気が入らないように上からもラップをし、フリージングします。また、冷凍用保存袋にカットした果物をそのまま入れても良いですが、その場合も重ならないように注意します。
ラップの場合も冷凍用保存袋の場合も、バットごとフリージングした方が早く凍るのでおすすめです。
フリージングした果物は、そのまま食べても良いですし、凍ったままヨーグルトやアイスなどのトッピングにしたり、ホットデザートに添えたり、野菜と一緒にグリーンスムージーの材料にしても良いでしょう。凍ったまま少量の生クリームと砂糖やハチミツを加えながら軽くミキサーにかけると簡単にできる自家製のアイスクリームに。数種類を合わせるときは、同系色か近い色の果物同士を合わせると素材の色が綺麗に出るのでおすすめです。
さらに、半解凍の状態で砂糖をまぶしフォークで軽く潰せば、火を使わずに自家製の果肉ごろごろジャムになります。パンにのせていただくのも美味しいですが、秋の夜長にはチーズやナッツと合わせワインのお供にも良いですね。こちらは、柿やイチジク、ぶどうなどがおすすめです。
果物にはタンパク質を分解する酵素もあり肉を柔らかくする働きがあることが知られています。豚肉や鶏肉などで煮込み料理を作る時にいつもの材料に加え梨やりんごなどを凍ったまま鍋に投入すれば、手軽に肉を柔らかくする効果と深い味わいを得ることができるでしょう。
厚生労働省による、果物の1日あたりの理想的な摂取量の目安は可食部で200gとされています。旬の果物には、ビタミンCを始めポリフェノール、食物繊維などの栄養素がたくさんあり、抗酸化作用も期待できます。フリージングを上手に活用して、健康的な体づくりのためにも積極的に果物を日々の食事に摂り入れましょう。


プロフィール
越川 純(こしかわ じゅん)
フルーツプロデューサー。フルーツの魅力と楽しみ方を伝えることを使命とするフルーツカッティングアーティスト。各地でのデモンストレーション、飲食店でのフルーツカッティング技術指導やメニュー開発・接遇指導などのコンサルティング、メディア出演など多方面で活躍中。