食事もトレーニングのひとつ【スポーツと栄養】

栄養バランスのよい食事を心がけ
丈夫な体でスポーツを楽しみましょう

JA全農では「アスリートの活躍を『ニッポンの食』で支える。」をスローガンに、卓球やカーリングの日本代表選手に、全農の海外ネットワークを活用して遠征先での「食事サポート」を行っています。また全農が協賛するカーリング大会や少年野球教室、卓球クラブなどで子どもたちや保護者を対象に「栄養学教室」を実施。「食」の大切さを伝えるとともに、子どもたちの夢や成長も応援しています。
そこで今回は、栄養学教室で「スポーツと栄養」の講義を担当している全農の職員(管理栄養士)にポイントを聞きました。

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「2019 ITTFワールドツアードイツオープン」 遠征先での食事サポート

──教室ではまず何を伝えていますか。
講師K スポーツをする上で、栄養バランスのとれた食事は不可欠です。これを食べれば強くなる!という特別な食べものはないので、日頃からバランスのよい食事を心がけ、体の調子を整えておくことが大切。食事もトレーニングのひとつです。栄養をしっかりとると体が丈夫になり体調を崩しにくくなりますし、疲れも回復しやすく、ケガ予防やケガの回復を早めることにもつながります。
 スポーツをする人は多くのエネルギーを必要とします。必要量は年齢や体格、運動強度などにより異なりますが、力が発揮できるように、食事から摂取するエネルギー量が消費するエネルギー量より少なくならないように伝えています。成長期の子どもは大人より必要量が多いので特に注意が必要です。

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「栄養学教室」 のようす

── どのように栄養をとるとよいのでしょうか。
講師K 栄養素は単体でとるのではなく、組み合わせることで吸収がよくなります。例えば丈夫な骨や歯を作るカルシウムを多く含む牛乳や乳製品は、ビタミンDやビタミンKと一緒にとるようにします。ビタミンDは鮭や乾しいたけなど、ビタミンKは納豆や小松菜などに含まれています。持久力のアップ、集中力を高める源となる炭水化物(糖質)は、ビタミンB1やクエン酸をあわせることにより、エネルギーを効率よく作ることができます。
 食材によって含まれる栄養素は異なります。毎食、主食・主菜・副菜2~3品と牛乳・乳製品、果物をそろえることにより、栄養バランスはもちろん、栄養素の吸収を高める食事の組み合わせも工夫できます。旬のものなどいろいろな食材を食事にとり入れてください。

──補食や水分補給が大切だと聞きますが、コツがあれば教えてください。
講師K  朝・昼・夕の食事以外に、運動前後などに補食をとりましょう。運動前はエネルギー補給を目的に、おむすび、果物、ゼリー、果汁100%ジュースなどの糖質を。運動後は疲労回復のために、消費した分の糖質、傷ついた筋肉を修復するために乳製品やゆで卵など、たんぱく質を含むものをとります。
 運動中は汗をかくので、運動前・運動中・運動後に水分補給をしてください。のどが渇く前にこまめに飲むことがポイントです。

──試合前や当日の食事で気をつけることはありますか。
講師K  試合の前日と当日は、エネルギー源となる糖質をしっかりとり、消化がよく普段から食べ慣れている食事にします。揚げ物やカレーなどの油っぽいもの、刺身や生卵などの生もの、香辛料などの刺激物は控えましょう。試合当日は試合の3~4時間前を目安に食事をすませます。食事時間の調整が難しい場合は補食で調整します。小さいおむすびなど一口サイズのものを用意しておくと、時間がない時や小分けに食べたい時に役立ちます。

 食事は自己管理が欠かせません。何をいつどのくらい食べるか、自分にあった食べ方を見つけてください。丈夫な体づくりには、栄養と運動だけでなく、休養(睡眠)を心がけることも大切です。成長ホルモンの分泌や体と心の疲労回復には睡眠も大事。朝起きたら光を浴びて、朝ごはんで体温を上げて体を動かす準備をします。「早寝・早起き・朝ごはん」で生活リズムを整えて、元気にスポーツを楽しんでください。

2022.04更新

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