自然のままのおいしさ【牛乳】

自然の産物だからこそ、味わいに変化があります。
冬の牛乳のおいしさを楽しみましょう

乳牛から搾乳した生乳を100%使用したものが牛乳です。
生乳の乳脂肪分は乳牛の品種、個体、季節によって変化します。商品によって乳脂肪分「3.5%以上」「3.6%以上」など違いがあるのは、乳牛が生きものなので、乳脂肪分の含有量が変わるから。
そして牛乳は乳脂肪分などを調整しない「成分無調整」で作られているからです。

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 生乳は乳牛が生み出す自然の産物なので、エサや季節、飼育方法などいろいろな違いで、乳量や乳成分が変わります。同じ牧場の牛でも、一頭ずつ味は違います。
 日本の乳牛はほとんど黒白まだらのホルスタイン種ですが、他の品種の牛も飼育され、それぞれ乳成分に特徴があり、味わいも異なります。ジャージー種は乳脂肪分が高い濃い乳を、ブラウンスイス種はチーズに適した濃厚な乳を出します。
 乳牛、とくにホルスタイン種は寒さには強いけれど、暑さは苦手です。夏は食欲が落ちて、水分を多くとるので、さっぱりとした味わいになります。冬から春先にかけて食欲が増すと、乳脂肪分なども増加するので、コクのある濃い味になるのです。同じように乳量も暑くなると減り、寒くなるにつれて増えていきます。
 また、乳牛が食べるエサでも味は変わるほか、生乳を殺菌するときの殺菌温度や時間などが異なると、その方法によっても牛乳の味は違ってきます。牛乳は生乳に何も加えることなく、乳業会社で消化吸収を良くするため脂肪球の均質化を行い、殺菌しただけのものです。まさに“自然のままのおいしさ”です。
 寒さが厳しくなってくると、温かくて濃厚な味わいの食べ物が恋しくなってきます。牛乳は塩分コントロールにも役立ちます。牛乳をだしの代わりに使うとコクやうま味が出ておいしくいただけます。シチューやグラタンはもちろん、味噌汁や肉じゃが、鍋物に牛乳を加えると減塩効果とうま味が得られますので、さまざまな料理に活用してください。また、カルシウムには、交感神経の働きを抑える作用があることが知られています。イライラや不安は交感神経が優位な時に起こりがち。消化吸収がよい牛乳ならおやすみ前の摂取にもぴったりなので、ホットミルクで体を温め、リラックスしてよい眠りにつきましょう。冬から春ならではの濃厚な牛乳を味わい、牛乳の“旬”を感じてみてください。

 ウクライナ情勢、円安などの影響により、生活にかかわる身近なものが次々と値上がりしています。酪農に欠かせない乳牛のエサ代や電気代も大きく上昇しました。酪農家の努力だけではどうにもならない事態が起こっています。おいしい牛乳をいつでも買うことができる日常が続くように、みなさんもおいしく飲んで応援していただけたらうれしいです。

※参考:(一社)中央酪農会議ミルク・ポータルサイト「ミルクジャパン」

「農協牛乳50周年」

牛乳づくりを変えた3つの革命
 1972年に発売された「農協牛乳」。当時は乳脂肪分の低い加工乳が「成分調整乳」として販売されていました。自然の恵みをそのまま届けたい酪農家の想いに沿うため、農協牛乳は「自然はおいしい」をキャッチフレーズに「成分無調整・生乳100%使用」を宣言して、製造・販売を始めました。また、宅配の瓶牛乳が主流の中、スーパーマーケットなど量販店に牛乳を直接卸すことで、消費者が店頭で買えるようにし、主婦が持ち帰りやすいよう1リットルの紙パックを採用しました。
「成分無調整・直販・紙パック」という3つの画期的な提案は、安全・安心で新鮮なおいしさを求める多くの消費者に受け入れられ、日本の牛乳市場を大きく変えました。現在も、酪農家と食卓をつなぐ「農協牛乳」の取り組みは続いています。

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2022.12更新

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