October

コマツナ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

江戸時代から栽培され、徳川吉宗が名付けたとされるコマツナは、家庭菜園でも人気の野菜です。
本来は冷涼な気候を好みますが、品種改良がさかんで、季節にあった品種選びでほぼ周年栽培が可能です。

 関東ではお雑煮に使われ、コマツナがなければ年を越せないといわれるほど人気の野菜です。生育適温は20℃前後で比較的冷涼な気候でよく育ちます。夏は寒冷紗で遮光したり、冬はビニールトンネルなどで防寒をし、耐暑性や耐寒性、トウ立ちがしにくいなど季節に合わせた品種選びをすることで周年栽培が可能となっています。ただ、アブラナ科の野菜なので、暖かいと害虫の発生が多くなるので、秋まきが一番つくりやすいといえます。
 同じ日にたくさんたねまきをすると、一度に食べきれない量を収穫することになるので、1~2週間おきに少量ずつたねをまく「ずらしまき」で、長く収穫を楽しみましょう。春までいくつか株を残して、トウ立ちした柔らかい菜花を摘み取って楽しむのもおすすめです。
 プランターや肥料袋などを使っても栽培できるので、ぜひトライしてみてください。

たねまき

深さ1cmのまき溝を作り、たねが重ならないよう厚まきを避けすじまきします。 薄く土をかぶせて表面を軽くおさえ、たっぷり水やりしましょう。

害虫予防

防虫ネットをトンネルがけしたり、不織布をベタがけにするなどして予防しましょう。発芽を促す効果もあります。

間引き・土寄せ

3~5日で発芽します。
葉が混みあってきたら、生育の悪いものを間引き、葉と葉がふれあう程度にします。
本葉4~5枚で、株間5~6cmになるように2回目の間引きをします。
間引き後は株元に土寄せをしましょう。

追肥・水やり

たねまきから収穫までの期間が1~2ヵ月程度と短いので、通常は追肥不要です。しかし晩秋以降にたねまきをする低温期の栽培などで、生育期間が2ヵ月を超えるような場合は、生育を見ながら必要に応じて、NK化成を1m2あたり20g程度施用してください。
土の表面が乾いたら、たっぷり水やりしましょう。

収穫

草丈が20cmくらいになったら、株ごと引き抜いて収穫します。草丈が30cm以上になると葉がかたくなってくるので、早めの収穫を心がけましょう。

春にはトウ立ちした菜花が楽しめます!

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
たねまきの2週間以上前に、1m2あたり苦土石灰100gと完熟堆肥1kg(いずれも過去1年以内に施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥はたねまきの1週間程度前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し土に混ぜ込みます。

●コマツナの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)
コマツナの栽培スケジュール

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2021.10更新

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