August

ワケギ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

香りがよく柔らかいのでぬたや薬味などに重宝します。
株分けで増えていくことから「分葱」の名前がついたとか。
種球を掘り上げて、翌年の植えつけにチャレンジしましょう。

 ワケギはネギよりも寒さに弱く、日当たりがよく暖かい環境を好むため、関東以西で多く栽培されています。たねができないため分けつした球根(種球)を植えつけます。秋からぐんぐん生長して収穫の時期になったら株元から3~4cm残して刈り取り、株が弱らないように追肥をしてやると、20~30日でまた葉が伸びて収穫ができます。冬は生長が停止しますが春になるとまた元気に生育し2~3回収穫が楽しめます。ベランダやキッチンなどでプランター栽培すると、すぐ薬味に使えて便利です。もちろん、球根ごと掘り上げてもかまいませんが、収穫が1回で終わってしまうので残念ですね。
 種球をとる場合は、4月頃から葉を生長させて、6月頃に葉が枯れて休眠期に入った頃に掘り上げます。陰干しをしてよく乾かして保存し、太って形のよい種球を選んで前作とは別の場所に植えつけましょう。

植えつけ

種球の枯れた皮を取り除き、2~3球ずつに分けます。尖った方の頭が少し出るくらいに植えつけ、土をかぶせて軽く押さえてたっぷり水やりをします。
プランター(60cm程度)の場合は4~5株が目安です。

発芽

1週間ほどで10cmくらい芽が伸びてきます。

追肥

茎葉が伸びて株分かれが始まった頃から、1m2あたり化成肥料(8-8-8)20g程度を施用し、その後は3~4週間に1回程度同量を生育を見ながら与え、株元に軽く土寄せします。
伸びた葉だけを収穫する場合は、市販の液肥(8-6-5など)を500倍程度に薄めて、株元にジョウロなどで施用すると、残った球根からの芽吹きがよくなります。

収穫

【左】草丈が20~30cmに伸びたら、株元を3~4cm残してハサミで切って収穫します。地際ギリギリで収穫すると次に出てくる葉の伸びが悪くなるので注意しましょう。
【右】追肥を続けると再び葉が伸びて、2~3回収穫が楽しめます。

種球の掘り上げ

6月頃、葉が枯れて休眠期に入ったら球根を掘り上げます。風通しのよい日陰で乾かし、2~3個の球根に分けて保存し、次の植えつけに種球として使いましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
種球植えつけの2週間以上前に、1m2あたり苦土石灰100gと完熟堆肥1kg(いずれも過去1年以内に施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し、土に混ぜ込みます。

●ワケギの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)
ワケギの栽培スケジュール

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2021.08更新

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