September

シュンギク

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

原産地は地中海沿岸地域ですが、野菜として食べているのは日本や中国など東アジアだけです。
冷涼な気候を好み、春まきと秋まきで楽しめますが、害虫の心配が少なく育てやすい秋まきがおすすめです。

 日本への渡来は室町時代といわれ、キクのような香りとほろ苦さが持ち味です。冷涼な気候を好み、生育適温は15~20℃です。寒さには比較的強いですが暑さには弱く、日が長くなり気温が上昇するとトウ立ちし、25℃以上になると生育不良を起こしてしまいます。
 シュンギクにはいくつか品種があり、地方によっても特色があります。生長した側枝を順次摘み取って収穫する株立ち(摘み取り)タイプと、株ごと抜き取って収穫する株張りタイプに大きく分けられます。さらに葉の切れ込みが浅い大葉種、切れ込みが中くらいの中葉種、切れ込みが深い小葉種があります。全国的に広く栽培されているのが中葉種で、家庭菜園では長く収穫が楽しめる株立ちタイプがおすすめです。霜にあたると葉が傷むので、不織布などを使って保温してやりましょう。
 連作障害があるので同じ畑は2~3年はあけましょう。

たねまき

発芽率があまりよくないので、やや多めにすじまきします。好光性種子なので、土を薄くかけて軽くおさえます。土が乾いていると発芽が悪いので、たねまきの前と後にたっぷりと水やりをしましょう。発芽するまでに1週間程度かかるので、乾燥に注意してください。

間引き
間引き

本葉1~2枚のときから密生しているところを間引き始めます。
本葉3~4枚で株間5~6cmにし、その後生育に従って間引きを行い、最終的に株間10~15cmにします。

追肥

2回目の間引き後は化成肥料(8-8-8)を1m2あたり30g程度散布し、土に混ぜ込みます。
摘み取り収穫後は株疲れ回復のために効きの速い液肥を与えます。市販の液肥(窒素成分6%程度のもの)を500倍程度に薄めて、ジョウロなどで株元に1株あたり300ml程度を施用してください。収穫の都度追肥してください。

株立ちタイプは草丈が20cmくらい(本葉9~10枚)になったら、株元から4~5枚を残して、まず主枝を収穫します。主枝の収穫によりわき芽に栄養が回り、次々と側枝が伸びてきます。

収穫

伸びた側枝が20~25cmになったら、葉を2枚残してハサミで切って収穫します。さらに伸びた側枝も葉を2枚残して収穫していくと、春先まで収穫を繰り返すことができます。
株張りタイプは草丈が20cm前後になったら、根ごと抜き取って収穫します。収穫適期が3~4日と短いので採り遅れに注意しましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
たねまきの2週間以上前に、1m2あたり苦土石灰100gと完熟堆肥1kg(いずれも過去1年以内に施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥はたねまきの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100 gを散布し、土に混ぜ込みます。

●シュンギクの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)
シュンギクの栽培スケジュール

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2021.09更新

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