May

インゲン

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

完熟した豆ではなく、未熟の柔らかい莢(さや)を味わいます。
つるありとつるなしで栽培方法が異なります。畑の面積や収穫時期などを考えて、バラエティー豊かな品種を楽しみましょう。

 若い莢を「サヤインゲン」として利用するようになったのは、明治時代になってからといわれています。温暖な気候を好み、霜に気をつければ長期間栽培できることから、関西地方ではサンドマメ(三度豆)とも呼ばれます。
 インゲンはつるが伸びる「つるあり種」と、つるが伸びない「つるなし種」に大きく分けられます。つるあり種は草丈が2~3メートル位伸びるので支柱を立てるため場所をとりますが、2ヵ月くらい収穫が楽しめます。つるなし種は、草丈が30~50cmほどなので支柱の必要はなく、株間も30cm程度なのでプランターなど狭い場所で栽培できますが、収穫期間は2週間程度しかありません。つるなし種の方が作りやすくビギナー向けといえます。特性を考えて栽培してみましょう。
 水はけのよい場所を選び、連作を嫌うので同じ畑は3~4年あけましょう。

たねまき

畑またはポリポットに深さ2~3cmのまき穴をあけて、たねのへその部分を下に向けて、1ヵ所3~4粒の点まきにする。土の表面を軽くおさえて水やりしましょう。

たねまき

鳥に食べられないように本葉が開くまで防虫ネットや不織布で覆ったり、ペットボトルをかぶせておくと安心です。

発芽・間引き

5~10日くらいで発芽。
本葉が2枚出てきたら1ヵ所2本に間引きし、ポットで育苗した苗は畑に植えつけます。

支柱立て

つるあり種はつるが伸びる前に、長さ2m程の支柱を1株に1本ずつ立て、高さ1m程の所で交差させて横支柱を渡し、合掌式に支柱を組みます。つるが伸びるとかなりの重さになるので、ヒモでがっちりと固定しましょう。つるが絡まりやすいように2~3段くらいヒモを張って誘引してやります。

追肥・土寄せ

追肥は蕾(つぼみ)が見え始めた頃と、収穫が始まった頃に、NK化成(16-0-16)を1m2あたり各20g程度施用して株元に土寄せします。つるありインゲンの場合には、収穫が盛んになった頃に、更に1~2回追肥を行ってください。

収穫

開花から10~15日を目安に柔らかい莢をハサミで収穫します。豆が膨らみ過ぎると味が落ちるので若採りを心がけます。
つるなしの場合は草丈40~50cmで、たねまきから50~60日で収穫を迎えます。収穫期間は2週間程度なので、よく見て採り遅れないようにしましょう。

●土づくりワンポイントアドバイス
指導:岡本 保(JA全農 肥料研究室技術主管)
インゲンなどマメ科の作物は根が酸素を好むので、通気性の良いフカフカの土を準備する必要があります。そのために、種まきの2週間以上前に完熟堆肥を1m2あたり2kg程度散布します。また、酸性の土壌を嫌うので、苦土石灰100g程度(前作で施用していれば不要)も同時に散布し、できるだけ深く耕しておきます。
元肥はたねまき(直播栽培)または定植(育苗栽培)の1週間前に、化成肥料(8-8-8)を1m2あたり、つるなしインゲンでは50g、つるありインゲンでは60g散布し、土に混ぜ込みます。

●インゲンの栽培スケジュール
(ベランダでも畑でも栽培できます)
トマトの栽培スケジュール

2021.05更新

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