家庭菜園 記事一覧

野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ラディッシュ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

短期間で収穫できるのでプランター栽培に最適。色や形などいろいろ楽しめます。

 おなじみの赤丸形のほかに赤長や白長、紅白など小さくて可愛いフォルムで大人気。別名「二十日大根」とも呼ばれ、たねをまいてから1ヵ月前後で収穫できるため子どもと一緒に栽培を楽しむのにもおすすめです。生育適温は15~20℃。日当たりと風通しが良い環境で育てましょう。室内でも育てられるので、真夏を避ければ一年中栽培できます。
 成長に合わせて間引きながら育てます。間引き後は株が倒れないよう、実の部分が露出しない程度に土寄せをします。アブラナ科なので害虫が発生しやすく、防虫ネットを被せると効果的です。
 プランターの土には野菜専用培養土を使い、栽培期間が短いため追肥は不要です。連作障害があるので、新しい土にするか再生処理をしてから使いましょう。

たねまき

指や板などを使って深さ1cm位のまき溝を作り、たねが重ならないようにすじまきにします。土を被せて軽く手で押さえ、たっぷり水やりします。冬場は室内の日当たりの良い場所に置いて管理しましょう。

発芽・間引き

4~7日で発芽します。発芽がそろったら混み合っているところを他の株を傷めないように丁寧に間引き、葉と葉が重ならないようにします。
2回目は本葉2~3枚で株間2~3cm、3回目は本葉4~5枚で株間5~6cmになるように間引きながら育てます。

水やり

土の表面が乾いたらプランターの底から水が流れ出るくらいたっぷり水やりします。

土寄せ

茎葉が細く株が倒れやすいので、間引きの後などに適宜、株元に土寄せしましょう。

害虫予防

アブラムシやアオムシ、ヨトウムシなどの害虫がつきやすいので防虫ネットなどで覆って防ぎましょう。こまめに葉の裏などを観察し、見つけたらすぐに取り除きます。

収穫

品種によって違いはありますが、肥大して土から顔を出してきます。直径が2~3cmになれば収穫適期です。株元を持って引き抜きます。採り遅れるとスが入ったり、ひび割れたりするので早めに収穫しましょう。

●ラディッシュ栽培スケジュール

(プランター栽培)

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ルッコラ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

栽培期間が短く、初心者にも育てやすいハーブ。秋まきが害虫被害が少なくておすすめです。

 地中海沿岸原産のアブラナ科の一年草。ゴマのような風味とピリッとした辛味が特長のハーブです。30~50日程で収穫できるうえ寒さに強いので、日にちをずらしてたねまきすれば長期間収穫できます。春まきと秋まきで楽しめますが、害虫被害の少ない秋まきがおすすめ。
 過湿に弱く、また乾燥し過ぎると葉が硬くなり辛味が増すので、土の状態をみて表面が乾いたら水やりを。一日中日差しの強い場所より半日陰の方が、茎葉がやわらかく風味が良くなります。プランター栽培では位置をずらしたり、寒冷紗などで日よけをすると良いでしょう。また、収穫を続けていくうちに花芽が育ってきます。とう立ちすると茎や葉が硬くなるので、花芽はすぐに摘み取りましょう。
 連作障害があるので同じ畑は1~2年あけてください。

たねまき

支柱などを使って深さ1cmのまき溝を作り、たねが重ならないようにすじまきにします。薄く土をかぶせて軽く押さえ、たっぷり水やりしましょう。たねまき後すぐに防虫ネットをかけましょう。

発芽・間引き

3~7日で発芽します。本葉が2~3枚になったら株間2~3cmになるよう混みあっている所を間引きます。本葉4~5枚で株間5~6cmになるよう間引き、株元に土寄せをしましょう。

追肥

葉を切り取りながら収穫を続けて生育期間が長くなる場合には、市販の液肥(6-10-5など)を500倍程度に薄めて、ジョウロで株の上からかけてください。生育をよく観察して、葉の色が淡くなったり、葉の伸びが弱くなったなと感じた時に、遅れないように追肥するのがコツです。株ごと抜き取って1回で収穫する場合には、通常は追肥不要です。

収穫

草丈が10~15cmになったら必要なだけハサミで外側の葉から切り取ると、次々と葉が出てきて長く楽しめます。草丈20~25cmになったら株ごと、引き抜くかハサミで収穫します。収穫が遅れると辛味や苦味が増し、葉が硬くなってしまうので注意しましょう。

摘蕾

春まきの場合や、外側の葉から長く収穫を楽しむ場合には、花芽が育ってとう立ちすることがあります。花が咲くと葉が硬くなるので、花芽が出たらすぐに摘み取ります(摘蕾)。摘み取った蕾も食べられますよ。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

ルッコラはカルシウムの含有量がとても豊富な葉菜です。栽培する土にもカルシウムを補ってください。たねまきの2週間以上前に1m2あたり苦土石灰100g(前作で施用していれば50gに減量)を散布し、同時に完熟堆肥1kg(前作で施用していれば不要)も散布し、根が深く張れるように深く耕してください。
元肥はたねまきの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8なら150g、14-14-14なら80g程度)を散布し、土に混ぜ込みます。


●ルッコラの栽培スケジュール

スケジュール

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野菜の育て方

ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ラッカセイ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

豆は土の中にできます。
水はけがよく、やわらかい土と日当たりを好みます

 名前の由来は、開花後の花の根元から蔓(子房柄・しぼうへい)が伸びて土の中に潜り、その先が膨らんで実になることから、落ちた花から実が生まれる「落花生」と名付けられました。
 生育適温は15~25℃、15℃以下では生育しなくなるので、心配な場合は黒マルチをして保温しましょう。たねまき後は鳥除けのため寒冷紗やビニールなどで覆い、草丈が10cm以上になったら外します。
 花が咲き始めたらこまめに除草しましょう。株の周りを耕し、やわらかく土を株元に寄せ、子房柄が土に潜り込みやすくしておきます。
 草姿により、這い性、立性に分けられ、豆の大きさ、早生種から晩生種などさまざまな品種があるので、育てる環境に合わせて選び楽しんでください。同じ畑は2~3年あけましょう。

たねまき

深さ2~3cmのまき穴を作り、莢からたねを皮つきのまま取り出し、1ヵ所2粒の点まきにします。土をかけて軽く押さえたっぷりと水やりします。なるべく晴天が続く日を選んでたねまきをすると発芽が良くなります。
鳥などに食べられないように、寒冷紗やビニールなどで覆いましょう。

発芽

4~7日で発芽します。2粒まきの場合は、間引きをしなくても構いません。
本葉が3~4枚になり草丈が10cm以上になったら、覆っていた寒冷紗やビニールを外しましょう。

土寄せ

開花直前に株の周囲の雑草を取り、軽く耕して株元に土寄せします。子房柄が土に潜ったら土寄せはしません。

開花

小さな黄色い花が咲きます。花は翌日にはしおれて、子房柄が地面に向かって伸び始めます。土に潜ると先端部分が膨らんで莢がつきます。

収穫・保存

下葉が黄色く枯れてきたら試し掘りをし、莢に網目模様がはっきり出ていたら収穫適期のサイン。莢は成熟度にバラツキがあるので、8割くらいの莢に網目が出ていればOK。天気の良い日に収穫し、株を逆さにして天日干しをします。保存する場合は、ゆすってカラカラと音がするまで十分乾燥させます。

莢ごと炒って食べますが、掘りたては塩ゆでもおすすめです。ゆで落花生を味わえるのは、家庭菜園の特権です。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

たねまきの1ヵ月以上前に、1m2あたり完熟堆肥1kgと苦土石灰100g(前作で施用していたらどちらも省略)を散布し、深く耕しておきます。ラッカセイは根粒菌が働いて空中窒素を利用するので、他の野菜類に比べると施肥量は控えめです。1m2あたり化成肥料(8-8-8なら40g程度、14-14-14なら20g程度)を、たねまきの1週間前に施用して、土に混ぜ込んでください。
窒素肥料の過剰は、茎や葉ばかりが成長して莢の品質や収量が低下する「蔓ボケ」になるので注意してください。堆肥は窒素が少なくリン酸とカリが多い牛ふん堆肥が適しています。追肥は不要です。


●ラッカセイの栽培スケジュール

(畑でも大型プランターでも栽培できます)

スケジュール

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ビギナーに人気!季節に合わせた家庭菜園

ラッキョウ

イラスト◎かとうともこ 監修◎山崎弘一郎

水はけのよい場所を選んで植えつければ、よく育ちます。
成育期間は長いですが、手がかからないのでぜひチャレンジしてみてください。
若採りを味わえるのは、家庭菜園ならではのお楽しみです。

 水はけが悪いと球(鱗茎)が腐ってしまうので、必ず水はけのよい土で育てましょう。
 定植1年後の初夏に収穫ができます。この時に収穫せずに夏越しさせると、11月頃に紫色の花が咲き、その後2回目の冬越しをさせると、翌年の初夏に小粒のラッキョウがたくさん収穫できます。花が咲いた後に収穫するので「花ラッキョウ」とも呼ばれています。いずれも生育期間が長期にわたるので畑の場所などしっかり利用計画を立てて植えつけましょう。
 球が肥大してくると株元から光が当たり緑色になってしまう(緑化)ので、株元に土寄せをして白い球のラッキョウにします。収穫したラッキョウは塩漬けや甘酢漬けなどにしますが、掘りたては天ぷらや炒め物にしてもおいしいです。葉が柔らかいうちに若採りしたものは「エシャレット」として生食で楽しめます。

植えつけ

たね球は1球ずつにバラして、枯れた外皮を取り除きます。
深さ4~5cmの植え穴を掘り、1ヵ所1~2球ずつ芽を上にして植えつけ、3~4cmくらい土をかぶせて手で押さえ、たっぷり水やりしましょう。先端が見えるくらいの浅植えにすると分球が多く小球になります。

追肥

たね球が活着して茎葉が盛んに伸びる10月頃と、冬を越して再び茎葉が伸び始める3月頃に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)40g程度を施用します。

土寄せ

追肥の後は球根の肩が露出しないように株元にしっかり土寄せをしてください。

収穫

6月以降、葉が枯れる前に天気のよい日を選んで株ごと掘り上げます。
ラッキョウは生命力が強く、収穫したものをそのまま放置しておくとどんどん伸びてしまうので、成長を止めるためにすぐに根と葉を切り落とします。
その日のうちに塩漬けにするなど加工するのがベストです。

エシャレット(若採りラッキョウ)は、株元への土寄せをこまめに行なって軟白部分を伸ばし、葉が柔らかい5月頃までを目安に収穫しましょう。
エシャレットは生のまま根を切り落として薄皮を取り、味噌をつけて食べたり、かつお節をまぶしたりしてどうぞ。

●土づくりワンポイントアドバイス

指導:岡本 保(元JA全農 肥料研究室技術主管)

たね球植えつけの2週間以上前に、1m2あたり苦土石灰100gと完熟堆肥1kg(いずれも過去1年以内に施用していれば不要)を散布し、深く耕しておきます。元肥は植えつけの1週間前に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100gを散布し、土に混ぜ込みます。
花ラッキョウを収穫する場合は、1年目に収穫せずに夏越しさせて、夏越しの間に一旦枯れた茎葉が再び成長を開始する秋口頃に、1m2あたり化成肥料(8-8-8)100g程度を施用して、鍬(くわ)やスコップなどで畝間を耕してください。更に、2度目の冬越しが終わった翌年3月頃に、化成肥料(8-8-8)40g程度を施用して、株元に土寄せをしてください。


●ラッキョウの栽培スケジュール

(ベランダでも畑でも栽培できます)

スケジュール

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